脱毛サロンで全身脱毛の施術を受ける場合は1回で全身の肌がつるつるになるわけではなく、一定の間隔を開けて何回か通う必要があります。1回の施術で脱毛が完了しない理由は毛周期の仕組みと深い関係がありますので、全身脱毛に必要な回数や期間の目安と合わせて解説します。
全身脱毛が完了するまでの期間
一般に脱毛サロンで脱毛を受ける際には、1ヶ月から3ヶ月程度に1回というペースで通うことになります。当サロンで採用している光脱毛は毛に光を当てて黒色のメラニン色素と反応させ、発生した熱が毛根にダメージを与えて脱毛される仕組みです。何回かに分けて光を照射させた方が肌に与える影響も少なく済み、それほど痛みを感じることなく自然に脱毛が促されていきます。
脱毛完了までに要する回数には個人差もありますが、全身脱毛の場合は12回から18回程度が平均的な回数です。顔以外すべての体毛が脱毛の対象となる全身脱毛の場合、特に腕や脚など体毛の濃さに個人差の大きい部位ほど脱毛効果を実感できるようになるまでの回数が違ってきます。
体毛がそれほど濃くない人の場合は8回程度で効果を実感できるようになりますが、体毛が濃い人は18回程度が必要です。2ヶ月に1回サロンに通うとした場合、12回で脱毛完了する人は2年、18回を必要とする人は3年かかる計算となります。
毛周期と光脱毛の関係
このように光脱毛で何回にも分けて施術を行う必要があるのは、毛周期と呼ばれる毛の成長サイクルにも関係があります。脱毛の仕組みを知るには、成長期と退行期・休止期という3つのサイクルを繰り返す毛周期の理解が欠かせません。
除草作業をする際に雑草を根ごと抜かないとすぐにまた生えてくるのと同じように、脱毛でも植物の根に相当する毛根にダメージを与えないとムダ毛が再生してしまいます。毛周期のうち退行期は多年生植物で言えば葉が成長を止めて枯れ始める時期に当たり、毛が毛根から離れて成長をストップした状態です。
毛周期のうち休止期は雑草の地上部が枯れて根だけが生き残っている状態に相当します。雑草を退治する際には葉や茎が盛んに伸びている状態で根ごと抜くが最も効果的なのと同じように、光脱毛もムダ毛の成長期に合わせて光を照射させることで毛根に効果的なダメージを与えられるのです。
照射させた光のエネルギーが毛根までしっかりと届く成長期は体毛全体の20％程度に過ぎませんが、退行期や休止期の状態にある毛も時期が来れば成長期に転じます。そうやって2回目以降も次々と光を照射させて毛根を弱らせていけば、回数を重ねるごとに生えてくる毛が減ってくるという仕組みです。
脱毛部位によっても毛周期が異なる
サロンで全身脱毛を受ける際には部位ごとに異なる毛周期や、成長期にある毛の割合も計算に入れる必要があります。全身脱毛の対象となる部位のうちワキは毛周期が1年から2年6ヶ月で、成長期の毛の割合は15％ほどです。毛周期が1年から2年に達するVIOも、成長期の毛の割合はやはり15％に過ぎません。
腕や脚に生える毛の毛周期は6ヶ月から1年6ヶ月とかなりの幅があって、成長期の状態にある毛の割合は20％から25％となっています。自己処理の難しい背中のムダ毛は毛周期が比較的短い4ヶ月から6ヶ月で、成長期の毛の割合は20％程度です。
部位ごとにバラバラな毛周期に合わせて効率よく全身脱毛を行うには、2ヶ月に1回程度のペースでサロンに通うのが合理的だと言えます。12回から18回という回数は脱毛完了までに要するトータルの料金と脱毛効果のバランスが良いという点で、最もお得な全身脱毛のコースなのです。
最短6ヶ月で全身脱毛が完了する最新技術も登場
毛周期から導き出された脱毛回数から計算すると、全身脱毛が完了するまでの期間は2年から3年という結果になりますが、それは従来の方式で光脱毛を受けた場合の話です。これまでの光脱毛で主流だったIPL方式やジェルを併用するSSC方式は、いずれも毛周期に合わせて光を照射させ毛根を弱らせる方式でした。
光脱毛の技術も日々進化しており、最近では毛周期と関係なしに脱毛できる最新技術が実用化の段階に入ってきています。SHR脱毛と呼ばれる最新の光脱毛のターゲットは皮膚の深い層にある毛根ではなく、浅い層にあるバルジ領域です。バルジ領域は毛の成長に必要な発毛因子を生み出す場所で、この部分にダメージを与えれば同じように脱毛が促されます。従来の光脱毛と比べて照射される光が低温のため、SHR脱毛は痛みをほとんど感じない点が最大のメリットです。
SHR脱毛は成長期の毛のメラニン色素をターゲットとせず、毛周期と関係なしに施術を行うことができます。SHR方式なら全身脱毛でもサロンに通う頻度を短くできるため、脱毛完了までに12回かかるとしても最短6ヶ月というスピード脱毛が可能です。
まとめ
以上のように全身脱毛が完了するまでの期間は部位ごとに異なる毛周期に大きく左右され、2年から3年ほどかかるのが一般的です。毛周期に関わらないSHR方式を選ぶことで、全身脱毛でも最短6ヶ月で脱毛を完了させることが可能になりつつあります。
