腕や脇・足などと違って自分では見えないため、つい処理が疎かになりがちな「うなじ」。
首元を隠さなくなる春頃から、俯いたときや風に髪が靡いたとき、アップスタイルにしたときなど、うなじは何かと他人の目につきやすいため、ムダ毛をなくして綺麗にしておきたいという人は多いはず。自分で処理するのはなかなか難しい部位なので、いっそのこと脱毛してみようかと考えたことがある人もいるでしょう。
しかし、いざ「うなじ脱毛」について調べると、「うなじ脱毛は危険」「してもしなくても同じ」などといったネガティブな情報もあるため、「うなじ脱毛はしないほうがいいの?」と困惑してしまう人も少なくありません。
そこで今回の記事では、うなじ脱毛をするかどうか迷っている人のために、うなじ脱毛はしないほうがいいといわれている理由やうなじ脱毛するときの注意点を徹底解説します。「しないほうがいい」といわれていても、うなじ脱毛にはメリットも多くあるので、ぜひ記事を最後まで読んで、うなじ脱毛をするかどうかの参考にしてみてください。
目次
うなじ脱毛とは
うなじ脱毛とは、うなじにあるムダ毛を減毛・抑毛することです。しかし、「うなじ」が厳密にはどこからどこまでのことを指すのか知らないという人も意外と多いのではないでしょうか。
結論からいえば、うなじの範囲は「髪の毛を除いた首の後ろ部分」です。「首筋」もほぼ同じ範囲ではありますが、こちらは「耳の後ろの辺りから、肩にかけての筋肉」も範囲に含まれるので、うなじの方が範囲としては狭くなります。
また、首の後ろにある髪の毛の生え際である「襟足」も脱毛してほしいという人もいるかと思いますが、襟足は髪の毛に分類されるので、脱毛を断られるケースが多いです。1本1本が太いので、脱毛による肌トラブルのリスクが考えられることなどが理由として挙げられます。
うなじ脱毛はしないほうがいいといわれる理由
うなじ脱毛についてネット上で調べると、「しないほうがいい」「うなじ脱毛は危険」といわれていることがあります。そのような情報を見ると、これからうなじ脱毛をするか検討している人は不安になってしまいますよね。
ここでは、なぜうなじ脱毛はしないほうがいいといわれているのかを解説します。うなじ脱毛をして後悔しないためにも、よく確認しておきましょう。
背中の毛との境目が目立つ
うなじが綺麗になったことで、逆に「うなじと背中の境目がハッキリしてしまった」と、うなじ脱毛を後悔するケースがあるようです。うなじ脱毛の失敗談を調べると、いくつかそのようなケースが見受けられます。また、うなじとの境目が気になった結果、背中脱毛も後から追加で行うという選択をする人も少なくありません。
ムダ毛が気になって脱毛したのに、返って背中のムダ毛が目立ってしまう可能性があるため「うなじ脱毛はしないほうがいい」といわれているということです。境目が目立つという失敗をしないためには、うなじと背中にある体毛の濃さや量を事前に確認して、必要であればうなじだけでなく背中も合わせて脱毛するといいでしょう。
脱毛したい部位に対応してもらえない
うなじ脱毛をしないほうがいいといわれている理由の一つとして、「脱毛したい部位に対応してもらえない」ことも挙げられます。例えば、襟足の長い後れ毛。自分では産毛だと思っていても「毛質が髪の毛なので対応できません」と施術を断られる場合があるのです。
理由は、脱毛機の仕組みにあります。脱毛機の光やレーザーは、毛の黒い色素「メラニン色素」に反応して脱毛効果を得る仕組みです。そのため、薄い産毛と違って毛の一本一本が太い髪の毛はメラニン色素も多く、脱毛機のレーザーが強く反応し、火傷や怪我をしてしまう恐れがあるのです。
自分が脱毛してほしい部位が髪の毛であったために対応してもらえないのなら「うなじ脱毛はしないほうがいい」となるのも頷けます。もし、襟足の後れ毛を確実に綺麗にしたいのであれば、理容室でプロにシェービングしてもらうといいでしょう。
脱毛完了後のうなじの形が気に入らない
先ほども解説した通り、脱毛サロンやクリニックで使われる脱毛機は、光やレーザーを照射して毛根組織を破壊することで抑毛・減毛効果を発揮します。特に、レーザー脱毛の場合は出力が強く脱毛効果が高いため、一度脱毛が完了してしまうと脱毛前と同じ状態には戻せません。
脱毛が完了した後に「やっぱりうなじの形が気に入らない」となると、脱毛後にずっと気に入らないうなじで居続けなければいけないのです。
どのような形にしてもらいたいのかという具体的なイメージがなく施術者に任せようと考えている人や、絶対に後悔したくないと不安な人はよく検討してからうなじ脱毛をしたほうが良いでしょう。
うなじ脱毛で後悔しないためには、脱毛前と同じ状態には戻れないことを理解した上で、自分が理想とするうなじの形を事前にしっかりと検討し、施術者に伝えるようにしましょう。
人気のうなじの形・デザイン
ここでは、脱毛サロン・クリニックで人気のうなじのデザインを4つ紹介します。一度脱毛が完了すると、脱毛前と全く同じ状態に戻すことはできません。うなじ脱毛で後悔しないように、以下で紹介するデザインを参考に、自分が理想とするうなじの形をしっかりと検討してみてください。
W字型
襟足の中央を少し窪ませて両端は残すW字型は、後ろから見たときにWを描いているように見える「自然に生えた状態に近い」デザインです。脱毛サロン・クリニックでも「ナチュラルで可愛い」と人気が高いデザインとなっています。
もともと女性のうなじはW字型のような形をしている人が多いので、似合う人も多いデザインといえるでしょう。特にデザインに拘りがない人や、自然な形のまま綺麗なうなじになりたいという人はW字型にすれば間違いありません。
MW字型
MW字型は、W字型の中央部分をM字型にしたデザインです。Wの形のように下向きに伸びた2つの尖がりと、中央でM字型に凹んでいる部分が目の錯覚を起こし「首が細く、長く見える」のが特徴です。そのため「首を長く見せたい」という人に人気があります。
また、MW字型のうなじは「すっきりとした印象」を与えられるので、着物・浴衣などと相性が抜群です。舞妓さんがうなじにおしろいを塗る際、MW型にすることも少なくありません。着物や浴衣など、和服を着る機会が多い人にもおすすめできます。
U字型
U字型は、W字型やMW字型にある尖った襟足の部分を剃ってなくすため「柔らかく優しい印象」を演出できるデザイン。ただ、あまり極端にU字型にしてしまうと「幼い印象」になる点は注意が必要です。
また、うなじの自然な形に近いデザインのため、周りの人に脱毛したことを知られたくないという人にはこのデザインをおすすめします。
直線型
「活発な印象やボーイッシュな印象」を演出したい人、「ショートカットの人」に人気なのが襟足をストレートに整えた直線型のデザインです。元気な印象を与えるポニーテールやシニヨンなどの髪型にも似合いやすいので、普段よくアップスタイルにする人におすすめです。
ただし、明らかに手を加えたことの分かるデザインなので、自然なうなじの形を希望する人には向きません。また、あまり直線に整えすぎると不自然になるという点に注意してください。直線型にしたいという人は、サロン・クリニックでよく相談するようにしましょう。
うなじ脱毛はメリットも多い
背中との境目が目立つなど、うなじ脱毛には「しないほうがいい」といわれてしまうようなデメリットがいくつかあります。それでも施術を受ける人が少なくないのは、うなじ脱毛には魅力も多くあるためです。
ここからは、うなじ脱毛にはどのようなメリットがあるのかを詳しく解説していきます。うなじ脱毛をするかどうか迷っている人は、ぜひ判断の材料にしてみてください。
いろんなヘアスタイルに挑戦しやすい
脱毛でうなじが綺麗になることで、人目を気にせずさまざまなヘアスタイルを楽しめるようになります。うなじの毛に悩んでいた人も、自信を持ってアップスタイルやショートヘアに挑戦できるでしょう。
また、着物や浴衣、オフショルダーやドレスなど、綺麗なうなじが映えるファッションも堂々と着こなすことができます。
首が長く綺麗に見える
首が長く綺麗に見えるようになるのも、うなじ脱毛の大きなメリットの1つです。うなじや襟足の体毛を処理すると、うなじのデザインによる目の錯覚も加わって、首がスッキリとして細く、長く見えるようになることが期待できます。
「首が太い」「首が短い」と悩んでいる人にとっては、うなじ脱毛はコンプレックスの緩和・解消の一助になる可能性もあるのではないでしょうか。
自己処理の手間がなくなる
うなじ脱毛することでムダ毛が抑毛・減毛されるので、自己処理の手間がなくなるのもメリットとして挙げられます。自己処理が不要になることで、剃り残しや肌を傷つける恐れがなくなることも魅力です。
例えば、カミソリを使った自己処理は刃を直接肌に当てるため、誤って切ってしまう可能性があります。また、除毛クリームを使った自己処理は、髪の毛に付着しても気づかず放置してしまった場合、髪の毛が縮れたり溶けたりするリスクがあるのです。
カミソリは剃るだけ、除毛クリームは塗って放置して流すだけと、どちらも手軽にムダ毛を処理できる点がメリットといえますが、うなじは自分では鏡越しでしか目視できない部位なだけに、剃り残しや肌を傷つける恐れがあります。
自己処理の手間が省け、尚且つ剃り残しや肌を傷つける恐れもなくなる点は、うなじ脱毛の大きなメリットといえるでしょう。
肌のトーンがアップする
うなじ脱毛をすることで、肌のトーンがアップするのもメリットの一つです。自身の腕などに生えている産毛を確認してみてください。毛の薄い人は分かりづらいかもしれませんが、よく見ると薄い黒色をしているはずです。
日本人の大半は、産毛の色が薄い黒色をしています。そのため、毛の長さや密度によって、影のように見えたり、肌がくすんで見えたりすることがあるのです。
しかし、うなじ脱毛をすれば産毛がなくなるので、影やくすみもなくなり肌がパッと明るくトーンアップするでしょう。
うなじ脱毛をする際の注意点
メリット・デメリットを理解した上でうなじ脱毛をしたいと思っても、実際にサロンやクリニックを予約するとなれば、初めての人は不安もあるでしょう。
ここでは、うなじ脱毛をする際の注意点について解説します。どのような注意点があるのか知っていれば、少しでも安心して施術が受けられるはずですので、うなじ脱毛をしようと考えている人はよく確認しておきましょう。
脱毛範囲を確認しておく
うなじ脱毛をする際は、自分が脱毛したい範囲をあらかじめ決めた上で、実際に施術可能なうなじの範囲を、脱毛サロンやクリニックごとに確認しましょう。脱毛サロン・クリニックでは、1番最初にカウンセリングを行います。そのときに、施術範囲に印をつけてもらって確認してみてください。
うなじ脱毛の対象は「産毛」です。そのため、脱毛を希望する部位に「髪の毛」が含まれていた場合、そこだけ対応してもらえない可能性があります。
せっかく脱毛をしたのに、不満が残ってしまっては悲しいですよね。そうならないためにも、必ず自分の目で脱毛範囲を確認するようにしましょう。
希望の形を伝えておく
ここまでにも説明しましたが、脱毛は一度完了すると脱毛前と同じ状態に戻すことができません。もしも、脱毛後にうなじのデザインが気に入らなかった場合は、その後もずっとその気に入らないデザインのうなじのままです。
うなじ脱毛でそのような後悔をしないためには、事前にどのような形のうなじがいいのかを考えて、施術スタッフに伝えましょう。施術スタッフが毎回同じ人とは限らないため、初回のカウンセリング時だけでなく、施術の都度伝えるのがポイントです。スタッフ間で情報共有は行われますが、文書や言葉による伝達だけでは情報に誤差が生じる可能性もないとはいい切れません。
自分の理想とするうなじにするためには、施術の都度希望の形を伝え、必要であればカウンセリングで施術範囲をマーキングしてもらった際の写真を撮っておいて、それを見せるといいでしょう。
ムダ毛の処理を理容師に依頼する
うなじ脱毛に限らず、脱毛の施術を受ける前には必ず前日までの自己処理が必要です。とはいえ、うなじは手が届く部位ではありますが、目視できないため、自己処理をするのが難しいと感じる人が多いでしょう。
うなじ脱毛前の自己処理が上手くできるか不安な場合、事前にうなじの形の想定もできるので、理容師にうなじをシェービングして形を整えてもらうのがおすすめです。
無理に自己処理をしようとすると、怪我をしたり不自然な形に剃ってしまったり、剃り残しを作ったりしてしまう可能性があります。
そういった失敗が不安な人は、確実に綺麗にムダ毛を処理してくれる理容師にうなじのシェービングをお願いしましょう。
日焼け対策をしっかりと行う
うなじ脱毛の期間中は、うなじが日焼けしないように注意してください。脱毛を希望する箇所が日焼けしているとやけどをするリスクがあるため、施術自体を断られることもあるのです。
脱毛機のレーザーは、毛の黒い色素である「メラニン色素」に反応して脱毛する仕組みになっています。また、人の肌は紫外線を浴びると、肌を守るためにメラニン色素を大量に分泌して日焼けします。
つまり、日焼けした肌に多く含まれているメラニン色素にも脱毛機のレーザーが強く反応し、ただでさえ焼けてやけどしたような状態の肌が、レーザーの熱でさらにダメージを受け、肌荒れなどの肌トラブルを起こす危険性があるのです。
脱毛して綺麗なうなじを目指すなら、脱毛期間中は日傘や日焼け止めなどの対策をしっかりと行うように注意しましょう。
背中脱毛も合わせて検討する
先ほど、うなじ脱毛はしないほうがいいといわれる理由の一つとして、脱毛して綺麗になったうなじと脱毛していない背中との境目が目立つと解説しました。背中との境目が目立つのは嫌だけど、うなじのムダ毛に悩んでいて脱毛をしたいという人は、最初からうなじと一緒に背中脱毛もすることを検討してみましょう。
ただ、多くのサロン・クリニックでは、うなじ脱毛の範囲に背中は含まれていません。「脱毛したい部位を数ヶ所選択できるプラン」や「うなじ・背中をセットで脱毛できるプラン」などで、うなじと背中を同時に脱毛するといいでしょう。
うなじ脱毛単体で施術を受けて、後から境目が気になって追加で背中脱毛をするよりも、最初からセットで契約をしたほうが費用を抑えられることが多いのでおすすめです。
うなじ脱毛に関するよくある質問
最後に、うなじ脱毛に関するよくある質問について解説します。自分が疑問に思っている内容があればよく確認して、うなじ脱毛をするかどうかの判断材料にしてください。
- うなじをセルフで処理するなら?
- うなじ脱毛はどのくらいで効果が出る?
それぞれ見ていきましょう。
うなじをセルフで処理するなら?
うなじのムダ毛を理容師のシェービングにも、脱毛サロンやクリニックも頼らずセルフで処理するなら、主な方法は2つです。
まず、もっとも一般的なのが、カミソリまたはシェーバーを使った自己処理の方法です。
髪が落ちてこないようにヘアゴムやピンでしっかりとアップにまとめたら、水性ペンで希望する形にマーキングします。後は鏡でさまざまな角度からよく確認しながら、毛の流れに沿って丁寧に剃りましょう。このとき、何度も同じ場所を剃らないことが綺麗に仕上げるポイントです。
次に、「除毛クリーム」を使った自己処理の方法です。基本の流れはカミソリやシェーバーでの自己処理の仕方と同じです。アップにしたらマーキングに合わせて除毛クリームを塗り、使用する除毛クリームに記載されている通りの使い方をします。コツは、毛がしっかり隠れるように厚めに除毛クリームを塗ること。
もしも毛を取り除きたい箇所に毛が残ってしまったら、肌への負担を考慮して翌日以降に再挑戦しましょう。
どちらの方法も、自己処理後は肌荒れなどのトラブルの可能性を軽減するため「保湿」を怠らないようにしてください。
うなじの剃り方については、「うなじの正しい剃り方は?理想的なうなじの形も合わせて紹介」の記事で紹介しているので、参考にしてみてください。
うなじ脱毛はどのくらいで効果が出る?
うなじ脱毛の効果は、毛の量によって個人差があります。また、うなじ脱毛を脱毛サロンで行うのか、医療脱毛クリニックで行うのかによっても効果の出る回数・期間には差が生じるでしょう。
一般的には、サロン脱毛でうなじ脱毛の効果を感じるまで必要な回数は平均5〜6回程度、医療脱毛ではレーザーの出力が強いため平均2〜3回程度」とされています。期間にすると、おおよそどのサロン・クリニックでも施術は2〜3ヶ月おきに行うため、半年から1年はかかる場合が多いでしょう。
毛の量が多い人だとそれ以上の回数・期間が必要になることもありますし、逆に毛の量がもともと少ない人だと平均回数・期間以下で効果が出たと感じる場合もあります。
うなじ脱毛にかかる回数・期間については、「うなじ脱毛にかかる回数や費用は?人気の形などもまとめて紹介」の記事で詳しく紹介しています。
まとめ
うなじ脱毛は、背中との境目が目立ったり、場合によっては脱毛を希望する部位が髪の毛であったために対応を断られたりするなど、「しないほうがいい」といわれるデメリットもいくつかあります。
しかし、うなじ脱毛をすれば自信を持ってさまざまなヘアスタイルに挑戦しやすくなったり、首が長く見えるようになったりするなど、嬉しいメリットも多くあるのも事実です。何より、目視できない部位なので、脱毛することで自己処理の手間がなくなるのもメリットとして大きいですよね。
ふと髪が靡いた瞬間、浴衣やドレスなどを着るためにアップスタイルにしたときなどに、うなじが細く長く見えて綺麗だと、周囲と差をつけられます。メリットの他にデメリット・注意点を理解した上で、ぜひうなじ脱毛にチャレンジして、いつでも人目を気にせず、堂々としていられるうなじを手に入れましょう。