ほくろがあると脱毛できないのかな?と不安に感じる方は少なくありません。ほくろへの影響を心配し、「脱毛するとほくろが大きくなるのではないか」「ほくろが取れてしまうのではないか痛みがあるのではないか」といった疑問を抱えている人もいるでしょう。
ほくろは色素細胞の集まりでできているため、レーザー脱毛の際にほくろに反応してしまい、ダメージを与えてしまう可能性があります。
しかし、ほくろがあるからといって、脱毛を諦める必要はありません。適切な対策を講じることで、ほくろへのダメージを最小限に抑えつつ、効果的な脱毛を行うことが可能です。
本記事では、ほくろと脱毛の関係性について詳しく解説します。ほくろに関する疑問を一つ一つ解消し、安心して脱毛に臨めるようにしましょう。
目次
ほくろがあると脱毛できない?
レーザー脱毛は、メラニン色素に反応する特定の波長のレーザー光を照射することで、毛根にダメージを与えて毛を生えにくくする医療行為です。
ほくろがあると脱毛ができないのではないかと心配になる人も多いですが、基本的にはほくろがあっても脱毛は可能です。ただし、ほくろなどのメラニン色素が多い部位にレーザーを照射すると、本来の目的である毛根以外に強い熱ダメージを与えてしまう可能性があるため、注意が必要です。
ほくろの状態は人それぞれ異なるため、一概に言えないこともあるかもしれません。しかし、ほくろと脱毛に関する正しい知識を身につけることが、安全で効果的な脱毛への第一歩となるでしょう。
レーザー脱毛の仕組み
まず、レーザー脱毛の仕組みを理解しましょう。レーザー脱毛は、以下のような原理で行われます。
- レーザー光線を毛根のメラニン色素に照射
- メラニンに反応して発熱
- 発熱により毛根が破壊され、毛が生えにくくなる
つまり、レーザー光線はメラニン色素に反応するのです。ほくろもメラニンを多く含むため、ほくろに直接レーザーを照射すると、ほくろが焦げる、やけどするなどのリスクがあります。したがって、ほくろがある部位の脱毛では、ほくろに直接レーザーを当てないよう、照射範囲や出力を調整する必要があるのです。
ほくろに照射するリスクとは
ほくろにレーザーを照射すると、以下のようなリスクがあります。
- ほくろの色が濃くなる
- ほくろが腫れる
- ほくろが焦げる、やけどする
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ほくろの色が濃くなる
ほくろはメラニン色素を多く含むため、レーザー脱毛の際、ほくろに光が吸収されやすくなります。その結果、ほくろの色が濃くなってしまうリスクがあるのです。
ほくろの色が濃くなる原因は以下の通りです。
- レーザー光の熱によりメラニン色素が活性化される
- メラノサイト(メラニン色素を生成する細胞)が刺激を受ける
- 炎症反応により一時的にメラニン色素が増える
特に色の濃いほくろや大きめのほくろは、色が濃くなりやすい傾向にあります。
ほくろの色が濃くなるのは一時的な場合が多いですが、まれに永続的に色が濃くなることもあるようです。
ほくろが腫れる
脱毛の際にほくろに直接レーザーが照射されてしまうと、ほくろが腫れ上がることがあります。これは、レーザーの熱によってほくろの細胞が刺激を受け、炎症反応を起こすためです。
ほくろが腫れた場合の対処法としては、以下のようなものが挙げられます。
- 冷却
腫れを抑えるため、冷えたタオルなどをほくろに当てて冷やします。
- 保湿
乾燥を防ぐため、保湿クリームを塗ります。
- 経過観察
腫れが引かない場合は、皮膚科医に相談しましょう。
ほくろが腫れた際は無理に脱毛を続けず、様子を見ることが大切です。万が一、ほくろに変化があった場合は、すぐに皮膚科を受診しましょう。
ほくろが焦げる、やけどする
ほくろにレーザーを照射すると、ほくろの色素が熱で焦げてしまい、やけどのような症状が現れることがあります。特に、色の濃いほくろや大きめのほくろの場合、このリスクが高まります。ひどい場合は水疱(すいほう)ができたり、痛みや痒みを伴ったりする場合もあるでしょう。
ほくろへのやけどは、色素沈着などが残ってしまう可能性があります。脱毛の際は、ほくろへの照射は避けるなどの対策が必要不可欠です。
ほくろがある部位の脱毛方法
小さい、薄いものならそのまま脱毛できることがほとんどです。大きめのほくろがある部位を脱毛する際は、いくつかの対処法があります。
- ほくろを避けて照射する
- 出力を下げて照射する
- シールでほくろを保護する
それぞれ詳しく見ていきましょう。いずれの方法を選択する場合も、事前に医師に相談し、ほくろの状態をチェックしてもらうことが大切です。
ほくろを避けて照射する
ほくろがある部位の脱毛では、ほくろにレーザーが直接当たらないよう、ほくろを避けて照射するのが基本的な方法です。具体的には以下のようなステップで行います。
- 照射前にほくろの位置を確認
- ほくろから2〜3mm程度離れた範囲に照射
- ほくろの周囲を丁寧に照射
- 照射漏れがないよう、ほくろの周りを何度か重ねて照射
ほくろを避けて脱毛することで、ほくろへのダメージを最小限に抑えつつ、ムダ毛の処理を行うことができます。ただし、ほくろが多数ある場合や大きなほくろがある場合は、完全に避けて照射するのが難しいこともあります。そのような場合は、医師とよく相談して適切な方法を検討しましょう。
出力を下げて照射する
ほくろのある部位の脱毛を行う際、レーザーの出力を通常よりも下げて照射する方法があります。出力を下げることで、ほくろへのダメージを最小限に抑えることができるのです。出力を調整することで、ほくろを避けながらも効果的に脱毛を行うことができます。ただし、ほくろの状態によっては照射できない場合もあるため、必ず事前に医師に相談しましょう。経験豊富な医師が、あなたのほくろの種類や大きさを見極め、最適な脱毛方法を提案してくれるはずです。
シールでほくろを保護する
ほくろを直接レーザー照射から守るため、ほくろ部分にシールを貼る方法があります。シールを正しく使用することで、ほくろへのダメージを最小限に抑えつつ、周囲の毛は効果的に脱毛することができます。ただし、自己判断でシールを使用するのは避け、必ず担当の医師や看護師に相談しましょう。
ほくろのある人が脱毛する際の注意点
ほくろのある人が脱毛する際には、いくつかの注意点があります。
- 事前にクリニックに相談する
- 自己判断で脱毛しない
- 経過観察を怠らない
それぞれのポイントを詳しく見ていきましょう。
事前にクリニックに相談する
脱毛したい場所にほくろのある方は、まずは事前に脱毛クリニックに相談しましょう。医師やスタッフに以下のような情報を伝えるようにしてください。
- ほくろの数や部位
- ほくろの大きさや色、形状
- ほくろの変化の有無(できてからの期間や変化など)
- ほくろの除去など、治療歴の有無
これらの情報をもとに、医師が脱毛の可否やリスク、注意点などを判断し、アドバイスをくれます。場合によっては、皮膚科専門医への受診を勧められることもあるかもしれません。
事前の相談を通して、自分のほくろの特徴を把握し、医師の指示にしたがって脱毛を進めていくことが大切です。決して自己判断で脱毛を行わないよう注意してください。
自己判断で脱毛しない
ほくろがある箇所の脱毛を自己判断で行うのは大変危険です。上述したように、ほくろの色が濃くなる、腫れる、焦げるなどのトラブルが発生する可能性があるためです。
そのほか、ほくろに強いエネルギーが加わることで、ほくろが活性化しシミになったり悪性化したりするおそれや、医療機関でない場所で照射を受けると、出力調整などが適切でなく思わぬ肌トラブルを引き起こしかねません。
以上のリスクを避けるためにも、ほくろがある箇所の脱毛は必ず医療機関に相談し、医師の判断を仰ぐことが大切です。自分の目で見えるほくろだけでなく、小さくて気づきにくいほくろもレーザーの影響を受けます。万が一の肌トラブルを防ぐためにも、セルフ脱毛は控えましょう。
経過観察を怠らない
脱毛施術後のほくろの変化を見逃さないためには、定期的な経過観察が重要です。特に施術直後は、以下のような経過観察を心がけましょう。
- 施術当日:ほくろの腫れ、発赤、熱感などの炎症反応をチェック
- 翌日以降:ほくろの色調変化、形状変化の有無を観察
- 1週間後:炎症反応の改善状況、ほくろの状態を再度確認
もし、ほくろに通常とは異なる変化を感じた場合は、迷わず医師に相談するようにしてください。早期発見・早期対応が、ほくろのトラブルを防ぐ鍵となります。脱毛後も、定期的な経過観察を習慣づけ、安全で効果的な脱毛を目指しましょう。
ほくろと脱毛に関するQ&A
最後に、ほくろと脱毛に関するよくある質問をご紹介します。
- 脱毛でほくろが取れるって本当?
- 脱毛でほくろが増えることはある?
- 脱毛でほくろの色は変化する?
- ほくろ除去と脱毛は同時進行しても大丈夫?
それぞれの質問と回答を見ていきましょう。
脱毛でほくろが取れるって本当?
脱毛でほくろが取れるという話を聞いたことがある人もいるかもしれません。しかし、これは誤解です。ほくろはレーザー照射によって除去することができますが、脱毛とほくろ除去は全く別の施術です。脱毛に用いられるレーザーの出力は、ほくろに悪影響を及ぼさない程度に調整されています。そのため、脱毛によってほくろが取れることはありません。
ほくろを除去したい場合は、脱毛とは別に皮膚科で専門的な治療を受ける必要があります。
脱毛でほくろが増えることはある?
脱毛によってほくろが新たに発生したり増えたりすることは、基本的にはありません。ほくろの主な原因は以下の通りで、脱毛との直接的な関連性は明らかになっていないためです。
- 遺伝的要因
- 加齢によるメラニン色素の変化
- 紫外線によるダメージの蓄積
ただし、もともと目立たなかった小さなほくろが脱毛によって顕在化し、あたかも増えたように見える場合があります。これは脱毛によって周囲の毛が減ることで、毛に隠れていたほくろが目立つようになるためです。
脱毛でほくろの色は変化する?
ほくろにレーザーを照射すると、ほくろの色が変化することがあります。
ほくろの色が濃くなってしまうリスクがあるということは前述しましたが、メラニン色素が破壊され、逆にほくろの色が薄くなるケースもあります。
ただし、これらの変化は一時的なものであり、時間の経過とともに元の色に戻ることがほとんどです。しかし、ごくまれに、色素沈着や色素脱失が起こり、変化が長期化・恒久化する可能性もゼロではありません。
ほくろ除去と脱毛は同時進行しても大丈夫?
ほくろ除去と脱毛を同時に進めるのは、皮膚への負担が大きいためおすすめできません。
ほくろの除去方法にはレーザー法や切開法がありますが、どちらも皮膚への負担が大きいです。切開法の場合は傷跡が完治するまで脱毛は控え、レーザー法の場合は照射部位の炎症が引くまで1~2週間は脱毛しない方が良いでしょう。
無理に脱毛を進めてしまうと、傷跡が残るリスクが高まってしまいます。ほくろ除去後は、皮膚が完全に回復してから脱毛を行いましょう。
ほくろがあっても脱毛を受けることは可能!
ほくろがあると脱毛ができないと思っている人も多いですが、ほくろがあっても脱毛自体は可能です。ただし、レーザー脱毛ではメラニン色素に反応するため、ほくろに直接照射するとダメージを与えてしまうリスクがあります。そのため、ほくろを避けて照射したり、出力を下げて照射したり、シールでほくろを保護したりするなどの対策が必要です。また、脱毛する際は、自己判断で行わず、必ず事前にクリニックで医師に相談し、経過観察を怠らないことも大切です。
不安な方は、サロンやクリニックにほくろの状態を見極めてもらい、適切な脱毛方法を提案してもらいましょう。正しい知識を持ち、慎重に対応することで、ほくろがあっても安心して脱毛を受けることができますよ。