「エステ脱毛を検討しているけど火傷をしないか不安を感じている」という方もいるのではないでしょうか。エステ脱毛は基本的に肌に優しい方法ですが、さまざまな条件が重なることで火傷をしてしまう例もあります。
そこでこの記事では、エステ脱毛で火傷が起こる8つのシチュエーションと、火傷につながりやすい3つの脱毛前後の行動を紹介します。悩まされやすい症状や火傷を負った場合の対処法に言及しつつ、きれいに治るのかや火傷リスクの少ないサロン選びも解説していくので、参考にしてみてください。
目次
エステ脱毛で火傷が起こる原因
エステ脱毛で火傷が起こる原因を、8つのシチュエーションで取り上げて詳しく解説していきます
- 日焼けした肌への照射
- ホクロやシミへの照射
- 毛が太く密集している部位への照射
- 乾燥している肌への照射
- 剃り残し部位への照射
- 冷却装置の過剰な照射による凍傷
- 海外製の脱毛機による照射
- エステスタッフの知識・技術不足
以下ではどのような状況で火傷が起こってしまうのかを紹介していくので、ぜひ参考にしてください。
日焼けした肌への照射
紫外線を浴びて日焼けをした肌は、脱毛で火傷が起こるリスクが高いです。一般的に、脱毛で照射する光は毛のメラニン色素に反応して照射をする仕組みとなっています。日焼けは肌で大量のメラニン色素が生成されている状態なので、日焼けをした肌に脱毛の光を当てると毛だけでなく肌も高温となって火傷をするリスクがあるのです。
また、日焼けをしないためには日焼け止めによる対策が必要となりますが、日焼け止めを落とさないまま脱毛を受けるのも火傷が起こる原因となるため注意してください。日焼け止めに含まれている紫外線を吸収する成分に、脱毛の光が反応して発熱する恐れがあるためです。
ホクロやシミへの照射
ホクロやシミがある肌に脱毛施術を行うのも、火傷が起こる可能性が高い行為です。ホクロは、メラノサイトが変化した母斑細胞が増殖して固まり、黒く沈着したものといわれています。シミは、メラニン色素が沈着して褐色や黒色になったものです。
ホクロとシミに共通しているのは、色素が濃く照射する光が反応してしまう点です。生まれつきホクロが多い方や、日焼け対策が十分でなくシミが多くなってしまった肌を脱毛する場合は、注意しなくてはいけません。
毛が太く密集している部位への照射
毛が太く密集している部位を脱毛する場合も、火傷が起こるリスクが高くなります。毛が太いのはメラニン色素が多いということなので、毛が密集していると非常に近い位置で熱が発生するためです。
肌全体が高温になりやすいため、他の部位に比べると火傷を負うリスクが高くなりやすい傾向にあります。例えば、ワキやVIOが毛が太く密集している部位です。特にVIOは肌がデリケートであるという特徴もあり、より火傷が起こるリスクが高いといえるでしょう。
乾燥している肌への照射
肌が乾燥している状態で脱毛を行うと、火傷が起こる可能性があります。乾燥肌は肌に必要とされる水分量が不足していて、バリア機能が低下している状況です。脱毛は照射の光で熱を与える方法なので、照射によってさらに肌が乾燥してダメージを感じやすくなり、火傷のリスクが大きくなります。
肌の乾燥は秋や冬といった季節の問題だけでなく、紫外線や生活習慣の乱れ、間違ったスキンケアなど日常的に行っていることが原因になる可能性もあるので、注意してください。
肌が乾燥する原因については、「肌が乾燥する原因は?適切なスキンケアの方法を詳しく紹介」の記事で詳しく解説しています。
剃り残し部位への照射
剃り残しがある部位に脱毛を行うと、火傷が起こるリスクが高いです。肌表面に残っている長い毛全体に照射した光が反応し、熱が発生してしまいます。
太くて濃い毛が多い部位は剃り残しがあると気付きやすいですが、問題はメラニン色素が少ない細い毛や産毛です。お腹や太ももなどの大きな部位は見逃してしまう可能性が高いので注意しなくてはいけません。
冷却装置の過剰な照射による凍傷
火傷といえば熱をイメージしますが、脱毛では脱毛機に搭載されている冷却装置で冷やしすぎることによる低温火傷=凍傷を起こすこともあります。起こりうるケースとして考えられるのは、脱毛機の不調です。
本来なら光の照射と冷却がほぼ同時に行われるため、熱による火傷も低温による凍傷も起こりません。総合的に考えると脱毛で凍傷になるリスクは低いですが、火傷が起こる原因となる可能性は頭に入れておくと良いでしょう。脱毛機の整備もしっかりと行っている、信頼できるサロンで施術をすることが大切です。
海外製の脱毛機による照射
海外製の脱毛機で施術を行う場合、火傷が起こるリスクが高くなる可能性があるでしょう。理由としては、主に下記の2つが挙げられます。
- 施術を行う人が使い方をしっかり把握できているかに不安がある
- 海外製は日本人の肌質や毛質に合うかが分からない
カウンセリングを受けて問題ないと判断できれば施術を行うサロンに選んでも構いませんが、リスクが高くなりやすい点に注意してください。先ほど解説した冷却装置の過剰な照射による凍傷につながる恐れもあるため、しっかりと判断しましょう。
エステスタッフの知識・技術不足
脱毛で火傷が起こる原因には、エステスタッフの知識や技術不足が当てはまることもあるでしょう。サロンで行われるエステ脱毛は、研修を受けて合格した人であれば免許がなくても脱毛施術が行えます。
初めて施術を行うスタッフだったり、まだ経験が浅いスタッフだったりした場合は、ミスによって火傷が起こるかもしれません。スタッフへの研修や教育制度、照射のコンテストなどを行っているサロンを選ぶと、安心できるでしょう。
火傷につながりやすい脱毛前後の行動
上記で紹介した火傷の原因の他にも、脱毛前後にとってしまった行動が火傷が起こる原因となることもあります。例としては、飲酒、入浴、運動などが挙げられます。
これらの行動に共通していることは、体が火照りやすい点です。先ほども解説したように、脱毛の光は熱によって効果を得るものなので、肌に熱が溜まる行為をすると火傷のリスクが高くなってしまいます。
火傷のリスクを減らすためには、飲酒は脱毛前後12時間、入浴は脱毛日当日、運動は施術日から最低でも3日は控えなくてはいけません。
エステ脱毛で起こりうる火傷の症状
まず、火傷の症状の重さは3段階に分類され、Ⅰ度は表皮、Ⅱ度は真皮、Ⅲ度は皮下組織まで達している火傷のことを表します。
Ⅰ度は皮膚が赤みや腫れができる状態、Ⅱ度は水ぶくれができてしまう状態です。Ⅲ度にもなると皮膚に血の気が無くなって白くなったり、黒くなったりするとされています。
では、エステ脱毛ではどの程度の火傷が起こりうるのかというと、ほとんどの場合がⅠ度やⅡ度です。以下では、エステ脱毛で起こりうる火傷の症状について詳しく解説するので、万が一火傷が起きた場合の程度の把握に役立ててください。
赤み・ヒリヒリ感
施術後に、皮膚が赤くなったり腫れたりしている場合は、Ⅰ度の火傷が起きているかもしれません。日焼けをして肌が赤くなったときのようなヒリヒリとした感覚を伴います。日焼けをしたときに跡が残らないように、Ⅰ度の火傷で跡が残る心配はなく、数日で症状は治まります。
水ぶくれ・痛み
施術後に、皮膚に水ぶくれができてしまった場合はⅡ度の火傷が起きています。強い痛みを伴うのも1つの特徴で、焼けるような鋭い痛みを伴うでしょう。症状が治まるまでの期間は火傷の程度や範囲で異なりますが、1〜4週間かかります。
傷痕については残らないケースが多いですが、症状が重くなると跡が残るケースもあるようです。
かゆみ
エステ脱毛で火傷が起こった場合、火傷の程度に関係なく悩まされる症状の1つにかゆみがあります。火傷による肌の乾燥や火傷が治りかけているなどによって感じる症状です。
このときに無意識に掻きむしってしまうと、かゆみが増したり、かき傷ができたりして症状が悪化します。最悪の場合、長い期間色素沈着に悩まされることとなるため、冷やしたり外用薬を活用したりして、掻きむしらないように注意しなくてはいけません。
エステ脱毛で火傷を負った場合の対処法
エステ脱毛で火傷を負った場合の対処法は、患部の冷却と医療機関の受診です。火傷を目にすると、真っ先にサロンに連絡を入れたくなるところですが、まずは火傷のケアを行って治すことも意識しましょう。
以下では火傷をした際の冷やし方のコツや、医療機関を受診するかどうかを判断するポイントを解説するので、ぜひ参考にしてください。
患部を冷やす
まず最初に行う対処法は、患部の冷却です。流水で冷やす、もしくは冷やしたタオルやタオルを巻いた保冷材、氷嚢などを使用して冷やすと良いでしょう。タオルなどを当てるときは優しく抑え、素材が刺激となったり圧力で水ぶくれを潰したりしないように注意してください。
極端に冷やしすぎるのも良くありません。氷や保冷剤を直接当てると冷えすぎて凍傷の原因になりうるため注意しましょう。
医療機関を受診する
患部を冷やしたら、次に行う対処法は医療機関の受診です。上記で火傷の症状を紹介しましたが、自己判断で対処をするのは良くないのでやめましょう。数日で治ると自己判断して放置し、症状が悪化したり、跡が残ってしまったりしては元も子もありません。
自己判断はもちろんネット上の情報による判断も避け、医療機関を受診し、正しい方法で完治を目指しましょう。
エステ脱毛で負った火傷は治る?
エステ脱毛で負った火傷が治るかどうかは、火傷の程度と治療をはじめるスピードで変わります。上記で火傷について簡単に紹介した通り、Ⅰ度の軽い火傷であれば、跡も残らずきれいに治ることが多いです。
また、症状が重くても、素早く医療機関を受診して治療をはじめればきれいになる可能性が高いとされています。ここで改めて、エステ脱毛で負った火傷は治るのかについて、少し詳しく解説しておきましょう。
軽い火傷であれば治る
エステ脱毛で負った火傷が、軽い場合はきれいに治ります。軽い火傷とはⅠ度に該当する程度の火傷で、皮膚に赤みや腫れが見られ、ヒリヒリする感覚が伴うものです。患部を冷やして保湿してあげれば数日で治るでしょう。
軽度かどうかの判断に不安な場合は、躊躇することなく医療機関を受診してください。適した保湿剤を出してもらえれば、安心して自宅でのケアで完治を目指せます。
火傷跡や色素沈着が残す可能性も
注意が必要なのは、Ⅱ度以上の火傷が起こった場合です。水ぶくれができている場合、破けて細菌に感染してしまうと症状が悪化し、傷となって色素沈着が残る可能性があります。Ⅱ度の火傷でも、皮膚がひきつれた状態になるといった火傷跡が残るかもしれません。
黒くなったり白くなったりする色素沈着に関しては、治るまでに数ヶ月〜半年といった長い期間かかるので、適切な治療で改善することが可能です。
ひきつれなどの火傷跡に関しては完治が難しいため、ひどい跡を残さないためにも早めの医療機関の受診をおすすめします。
火傷をした場合はエステに補償してもらえる?
火傷をした場合にエステに保証してもらえるかどうかという点ですが、結論からいえば補償してもらえないことが多いです。理由は、カウンセリング時にサインする契約書で、脱毛施術には火傷のリスクが伴うことを理解した上で同意しているためです。
そのため、火傷を負ったときにサロンに連絡を入れても、施術日の返金も治療にかかったお金の請求もできません。ただし、サロンによってはそういった場合の保証を行っているところもあるので、契約前に確認しておきましょう。
火傷のリスクを減らすためのエステサロン選びのポイント
エステ脱毛で火傷が起こるシチュエーションを8つ紹介しましたが、そのうちの1つ、エステスタッフの知識や技術不足という原因は、サロン選びに注意することで取り除くことが可能です。
そこでここからは、火傷のリスクを減らすためのサロン選びのポイントを3つ解説します。安全に脱毛施術を受けられるかの重要なポイントとなるので、ぜひ参考にしてください。
脱毛方法に注目する
火傷のリスクを減らすなら、エステサロンが導入している脱毛方法に注目してください。脱毛方法にはさまざまな種類がありますが、中でもSHR脱毛やハイパースキン脱毛は照射する光の温度が低い特徴があるため、火傷を起こすリスクが少ないです。
あってはならないことですが、スタッフによるミスがあっても重大な火傷につながることは少ないでしょう。
IPL脱毛などの高温での施術を望む方は、以下に解説するポイントに注意してエステサロンを選ぶことをおすすめします。
温度の低い光での照射する脱毛方法については、「蓄熱式脱毛とは|仕組み・効果からメリットデメリットまで解説」の記事をご参照ください。
スタッフが詳細に説明をしている
スタッフが脱毛施術について詳細に説明できているかも、ぜひチェックしてもらいたいポイントです。入りたてのスタッフと長年勤めているスタッフとでは、説明の仕方が全く異なります。
脱毛を受ける際はつい受け身になりがちですが、火傷のリスクを減らすなら、カウンセリング時に質問や相談をぶつけてみてください。すぐに説明ができる、話の内容に説得力がある、リスクやマイナスな点も隠さず説明してくれる方なら、信頼関係が築きやすく、安心して施術を任せられるでしょう。
施術実績が多いところを探す
施術実績が多いサロンは、比例してスタッフの施術実績も多いことが予想できます。施術実績が多いというのは、評判が良く、火傷を負う人が少ないともいえるのではないでしょうか。
エステサロンを選ぶ際に、予約が取りやすい、施術室がきれい、脱毛機が新しいといった魅力に惹かれてオープンしたてのサロンを選びがちですが、火傷のリスクを減らすなら実績の多いサロンを選ぶのがおすすめです。
まとめ
レーザーに比べて弱い光を使用するエステ脱毛でも、火傷を負う可能性はあります。火傷が起こってしまう大きな原因は「メラニン色素に反応して熱が発生するため」「肌のバリア機能の低下」「凍傷によるもの」「施術ミス」です。
軽度の火傷は跡も残らずきれいに治りますが、色素新着ができると数週間〜半年は治りません。皮膚がひきつってしまうと、完治は難しいでしょう。
火傷は脱毛で起こりうる不安なリスクの1つですが、原因を把握し、排除できれば火傷を負うリスクを減らすことは可能です。ここで紹介したサロン選びの3つのポイントを参考に、まずは火傷リスクの少ないサロン選びからはじめてみてください。