今や、家電量販店やネット通販などで気軽に購入できるようになった家庭用脱毛器。従来の自己処理方法として主流だったシェーバーやカミソリと違って毛根から処理するため、脱毛効果が長続きしやすいのが特徴です。
自宅で手軽に脱毛できることから利用者も多いですが、体に何か悪い影響があるのではないかと不安を感じてしまう人もいますよね。
そこで今回の記事では、家庭用脱毛器が体に悪いといううわさは本当なのか、その真相について解説していきます。家庭用脱毛器による副作用やリスク、対処法などを説明していくので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
家庭用脱毛器が体に悪い影響を与えることはある?
まずはじめに、家庭用脱毛器の種類について見ていきましょう。家庭用脱毛器には大きく分けて次の3つのタイプがあります。
- 光脱毛
光(レーザー)を照射して毛根にダメージを与え脱毛するタイプで、脱毛効果が期待できます。
- サーミコン(電熱線)タイプ
ヘッドに内蔵された電熱線の熱で毛を焼き切るタイプで、肌へのダメージが少なく素早くケアできます。
- ローラータイプ
ローラーで毛を挟み込み抜き取るタイプの安価な脱毛器で、手軽にケアできます。
近年需要が高まっているのは、手軽に脱毛ができる光脱毛器です。他の種類では一時的なムダ毛処理はできますが脱毛はできないので、ムダ毛が生えてこなくなる効果が期待できる光脱毛器が人気なのです。
しかし、光脱毛器の光レーザーには皮膚ガンを誘発させる作用があるとのうわさもあり、使用するのが不安という人も少なくありません。果たして、そのうわさは本当なのでしょうか。結論から述べると答えは否です。
家庭用脱毛器のレーザーは皮膚の毛根にのみ作用する微弱なもので、皮膚ガンになるほどの高い波長の光は使用されていませんし、もちろん内臓にレーザーが届くこともありません。
そのため、家庭用脱毛器による皮膚ガンのリスクを心配する必要はないでしょう。
ホクロへやシミへの照射は危険な場合も
家庭用脱毛器に皮膚ガンのリスクはありませんが、ホクロやシミなどに照射してしまうと、肌トラブルにつながってしまうので注意してください。光脱毛器から照射される光は、黒いメラニン色素に反応して熱を発生させます。
本来ならば、その熱が毛根に届いて脱毛を促しますが、メラニン色素が多いホクロやシミに誤って照射してしまうと、発生した熱によって強い痛みを感じたり火傷のような状態になる可能性があるのです。
もし、ホクロやシミに脱毛器の光が当たった場合には、すぐに保冷剤などで冷やしましょう。そのまま炎症を放置すると治りが悪くなったり、皮膚がケロイド状になったりすることもあるので注意が必要です。
脱毛の際には、ホクロやシミが多い箇所を避けて使用するか、直接光を照射しないように防護シールを貼るなどの対策をしてください。
家庭用脱毛器による副作用とは
家庭用脱毛器を正しく使用したにもかかわらず、何らかのトラブルが発生した場合は、脱毛器による副作用が考えられます。
下記のような症状が出た場合は、すぐに使用を中止し、必要に応じて医師の診察を受けるようにしましょう。
- 火傷
- 炎症
- 毛嚢炎
- 硬毛化・増毛化
- 汗の量の増加
- シミの増加
それぞれ解説していきます。
火傷
日焼けをした肌に照射する、同じ箇所に複数回照射することなどが原因で火傷を起こしてしまう可能性があります。脱毛後に患部が赤くヒリヒリしたり、水ぶくれができたりした場合はすぐに患部を冷やして、酷い場合は皮膚科を受診するようにしましょう。
水ぶくれは破れると雑菌が入り込んで炎症が悪化する危険性があります。決して、自己判断で処置しないようにしてください。
炎症
脱毛直後は、ほんのり肌に赤みが出たりピリピリしたりすることがあります。こうした症状は基本的に一時的なものなので、患部を冷やして少し様子を見ても問題はありません。ただし、赤みや痛みが長時間引かない、皮膚の色が変化してきたというような場合には、迷わず皮膚科へ相談してください。特に肌が弱い方は悪化しやすいので注意が必要です。
毛嚢炎
毛嚢炎とは、毛穴の奥の毛根を包んでいる部分(毛嚢や毛包)に起こる炎症のことです。家庭用脱毛器を使用してできた小さなキズから細菌が侵入することで、赤い発疹や吹き出物のような症状が現れます。
軽症であれば、放置しても自然に治りますが、炎症範囲が広い場合や痛みや痒みが長期間続く場合には皮膚科で治療を受けましょう。
硬毛化・増毛化
硬毛化・増毛化とは、脱毛によって逆に毛が太くなったり濃くなったりする現象のことです。家庭用脱毛器でムダ毛の脱毛をするつもりが、逆に毛が目立つようになってしまう可能性があります。
特に、顔(フェイスライン)や二の腕、背中など産毛の多い部位が硬毛化しやすいとされているので、そういった部位の脱毛をしたい場合は注意してください。
硬毛化・増毛化は、残念ながら発生原因がはっきりと分かっていません。明確な予防法や対処法はないので、しばらく脱毛は控えて元の正常な状態に戻るのを待つか、照射を繰り返して硬毛化・増毛化した毛ごと脱毛するかの2つの方法で対処することになります。
硬毛化・増毛化のリスクが気になるという方は、家庭用脱毛器ではなく、サポート制度があるサロンやクリニックで脱毛をするのがおすすめです。
サロンやクリニックで使用される脱毛器は家庭用脱毛器よりもレーザーの出力が強いものが多いので、より早く脱毛効果が実感できます。
汗の量の増加
「脱毛によって汗の量が増える」という話もよくありますが、実際は脱毛によって発汗量が増えることはありません。脱毛後に汗の量が増えたと感じるのは、ムダ毛がなくなって汗が流れやすくなったことが原因です。
脱毛によって、毛穴の数や汗腺自体が増えるわけではないので、安心してください。
また人によっては、脱毛後に汗の量ではなく匂いの違いとして感じる場合もあるようです。匂いについては、脱毛でこれまであったムダ毛がなくなり、雑菌の繁殖が減ったことによるものと考えられます。
いずれにしても、汗の増加や匂いの違いを感じるのは一時的なので、過度に心配する必要はありません。
むしろ、あまり気にしすぎるとストレスを感じて体が緊張状態となり、精神的な汗の分泌が増えるリスクがあります。脱毛直後はどうしても気になってしまうかもしれませんが、これまで通りのケアを行って患部を清潔に保つようにしましょう。
シミの増加
シミの元であるメラニンには、肌の抵抗力を上げて刺激から肌を守るという役割があるため、肌への外部刺激によって増加します。しかし、シミは紫外線だけでなく脱毛器による光や熱、擦れなどの刺激によって作り出される場合もあるのです。
刺激を軽減するためには、しっかり保湿するなどして、いつも以上に肌ケアを行うようにしてください。もし脱毛によってシミの数が多くなってしまったら、一旦脱毛を中止して皮膚科に相談してみましょう。
家庭用脱毛器は肌トラブルのリスクが高い
ここまで、家庭用脱毛器によって引き起こされるリスクや体への副作用について解説してきました。家庭用脱毛器は、自分で好きなときに照射できるのでとても便利ですが、使い方を誤ると肌トラブルを引き起こす原因になる場合もあります。
一方、サロンなどの脱毛専門機関であれば、プロが施術してくれて脱毛後のアフターフォローもしっかり行ってくれます。自己判断による脱毛が不安という方は、サロンなどを利用するのがおすすめです。
リスクがあるのは承知の上で、それでも家庭用脱毛器を利用したいという方は、下記で肌トラブルのリスクを少しでも下げるためにできる家庭用脱毛器の正しい使い方について解説していくので、参考にしてみてください。
家庭用脱毛器で失敗しないコツ
家庭用脱毛器で起こりうる肌トラブルは、家庭用脱毛器を正しく使用することでリスクを軽減できます。 ここから、家庭用脱毛器で失敗しないための7つのポイントをお伝えするので、チェックしてみてください。
取扱説明書の使い方を守る
家庭用脱毛器を使用する際は、まず商品に同封されている取扱説明書をよく読みましょう。脱毛器の正しい使い方は、全て取扱説明書の中に記載されています。
説明書通り正しく使用しないと、肌トラブルを引き起こすだけでなく、商品故障にもつながりかねません。使用頻度や使用方法などをしっかりと確認して、間違った使い方をしないように注意してください。
低い照射レベルから挑戦する
いきなり高いレベルで照射してしまうと、どんな肌トラブルが発生するか分かりません。初めて光脱毛器を使用する際には、必ず一番低い照射レベルから挑戦してみましょう。照射する箇所は、パッチテストも兼ねてできるだけ目立たない部位にします。さらに、もしもの場合に備えて、事前に最寄りの皮膚科を調べておくと安心でしょう。
また、デリケートゾーンのVIOを脱毛する場合は、毎回低い照射レベルにして行ってください。VIOは、他の部位に比べて非常に皮膚が薄いので、家庭用脱毛器による影響を最も受けやすい箇所です。家庭用脱毛器を使ってVIO脱毛する際は、慎重に肌状態を見ながら行うようにしましょう。家庭用脱毛器の種類によっては使用できない場合もあるので、注意してください。
同じ場所に何度も連射しない
脱毛器を使用する際、同じ場所に何度も使用すると、火傷をしたり肌を傷つけたりする原因になります。照射漏れをしてしまったのではないかといった不安から、同じ箇所に複数回狙って照射したくなってしまうかもしれませんが、次の照射のときまで待つようにしてください。家庭用脱毛器は広い範囲を少しずつ脱毛するイメージで使用することが大切です。照射漏れが不安な場合は、プロに任せられるサロンなどを選んだほうが良いでしょう。
照射をした後は脱毛部位を冷やす
家庭用脱毛器を使用した後は、照射した部位に熱が残っている場合があるので、すぐに冷やしましょう。患部を冷やすことで火傷や炎症が起こりにくくなり、肌トラブルをある程度未然に防ぐことができます。
保冷剤を直接肌にあてると冷えすぎてしまうため、タオルで包んでから肌にあてるようにしましょう。水で濡らして冷やしたタオルを患部にあてるのも効果的です。
日頃から保湿をして肌の水分量をキープする
脱毛前後のケアとしては、肌の保湿を十分に行うようにしましょう。乾燥した肌は、刺激に対する抵抗力が弱まって炎症が起きやすい状態になります。
保湿をしっかり行えば、肌のバリア機能を高められて、肌トラブルが起こりにくくなるのです。脱毛前後はいつも以上に保湿を心がけ、肌の水分量をキープできるようにしましょう。
また、脱毛後は肌が敏感になることもあります。いつも使っている保湿剤でも痛みを感じる場合も考えられるので、保湿剤は添加物の少ない低刺激のものを選ぶようにするのがおすすめです。
日焼け対策をして紫外線を防ぐ
家庭用脱毛器は、毛のメラニン色素に反応して脱毛します。そのため、日焼けをして肌にメラニン色素が溜まると肌のメラニンに反応してしまって、火傷をしたり毛根まで光が届かず思うように脱毛効果が得られなかったりする可能性があるのです。
また、脱毛後は肌自体が敏感な状態になっているので、日焼け対策はいつも以上に念入りに行いましょう。こまめに日焼け止めを塗る、日傘やサングラスのような日焼け対策グッズを活用するなどの対策をしてみてください。
もし、対策が不十分で患部が日焼けしてしまった場合は、しっかりと冷やしてあげましょう。その後、いつもより低刺激の保湿剤を使ってたっぷり保湿してあげると肌への負担を最小限に抑えられます。
体調が悪い日は使わない
体調が優れない日は、肌も抵抗力をなくしている場合が多いです。抵抗力が落ちると、肌が刺激に対して敏感になって、普段では問題がないことが思わぬ肌トラブルへつながる危険性があります。
そうした、予期せぬ肌トラブルを防ぐためにも、無理はせずに体調をきちんと回復させてから脱毛するようにしましょう。
体に悪い影響が出てしまった場合は即座に病院へ
もし、家庭用脱毛器を使用して体に何らかの悪影響が出たと思われる場合には、すぐに病院へ行くようにしてください。早く適切な処置を行うことで、その後の治療もスムーズに進みます。
肌トラブルを放置していると、肌に火傷跡が残ってしまうなどの問題が起こるかもしれないので、早めに対処しましょう。
家庭用脱毛器の使用が不安ならサロン脱毛がおすすめ
ここまで説明してきたように、家庭用脱毛器は、自宅で自らできるという手軽さがある一方、使用方法によっては肌トラブルを引き起こすリスクがあります。
「家庭用脱毛器を使いこなせるか不安」「肌トラブルのリスクを少しでも減らしたい」と不安な方は、サロン脱毛を検討してみてください。サロン脱毛は全てプロによる施術なので、セルフ脱毛によって起こりうる体へのリスクを軽減できます。
ここからはサロン脱毛のメリットについて解説します。
プロが施術してくれる
サロン脱毛のメリットの1つが、脱毛のプロが丁寧に施術を行ってくれるという点です。自分で照射をする場合は、ホクロやシミを見過ごしてシールを貼り忘れてしまったり、適切なパワーが分からず強く照射しすぎてしまったりする可能性があります。
しかし、サロンでは脱毛効果を最大限得られるような細かい気配りやプロの知識と経験を活かした施術を1つ1つ丁寧に行ってくれます。
さらに、自分ではつい見逃しがちな部位や手が届きにくい脱毛も、サロンのスタッフがしっかりと施術してくれるので脱毛後の仕上がりにムラが少なく、照射漏れのリスクが少ないです。
美肌効果が期待できる方法もある
サロンの脱毛では、脱毛以外の効果も期待できます。サロンの光脱毛で使用されることが多いIPL脱毛では、脱毛と同時に黒ずみやシミの改善も期待できるのです。IPLの光は美肌フェイシャルなどにも使用されているため、脱毛と同時に美肌を手に入れたい人におすすめできます。
しかし、全てのサロンがIPL脱毛を取り入れているわけではないため、IPL脱毛をしたい方は、サロンが導入している脱毛方法などをチェックしてみてください。
まとめ
家庭用脱毛器は体に悪いといったうわさもありますが、皮膚ガンなどのリスクはありません。火傷などの肌トラブルも、きちんと使用方法を守って利用すれば、体へ及ぼす悪影響のリスクを軽減できます。
さらに、脱毛前後の保湿もしっかりと行うことで、肌トラブルの緩和や予防効果が期待できるでしょう。
家庭用脱毛器を正しく利用したにも関わらず、体に何らかの違和感を感じたという場合は、副作用が考えられるので、迷わず病院を受診してください。
セルフ脱毛では不安という方は、サロン脱毛という選択肢もあります。
サロンには脱毛のプロがいますので、気になる方はサロンでの脱毛を検討してみてください。